イヤフォン(ATH-CKM90)の修理なんかを

1月ふっとばして、いつのまにか2月なんですが
そのへんは気にしない。

つい最近、iPhone 4Sを買いまして色々と弄り倒しているところです。

まあ、そのネタはおいおいということで今日はイヤフォンの
修理ネタなんぞを。「イヤーフォン」か「イヤフォン」が、まあどちらでもいい。

3年くらい前に購入した、audio-technica ATH-CKM90というのを愛用
しているんですが、このコードがどうにも根性がないというか
そろそろ経年劣化で被覆が切れてきました。

こんな感じになってしまうのですね。

三節棍みたいにズタズタです。

このまま放って置くと中の線まで断線してしまいます。

新しいの買えば?って普通はなりますが、すでに販売終了だし、
3年で約15,000円というのも苦しいもんで。
修理だせは直してくれるかもしれませんが、なんだかんだで
10,000円くらいは飛びそうな予感。
ShureとかUltimate Earsみたいにケーブルが交換できると
いいんですけどねぇ。

そこまでこだわるほど、このイヤフォンはいいものかと言われると、
お金を出せばもっと良いものは世の中に沢山ありますし、
こいつときたら耳の中にイヤーパッド忘れてくるのはちょくちょくだし、
線が絡みやすいしとかいろいろとあるんですけど、買うときにいろいろ
視聴して選んだし、音や遮音性は気に入っているんです。

じゃあ自分で交換するかってことになるわけですが、ドライバーユニットの
ところからバラそうと思ってもかっちり接着してあってどうも難しい。
たとえバラせたとしても、隙間が開いたら直に音が変化しそうだし、
ハンダ付けする際に下手に熱が伝わってゴミ作成なんてのは目も当てられない。

なので、断線もしていないし、線は流用でひとまず被覆の修復に
留めておきたいところ、ですが・・・。


えっとー

ナニコレ?って思うかもしれませんが、

実はすでに修理してあるんですわ。

以前ステレオミニプラグのところが断線して、
どうせプラグ部分を付け替えても綺麗にならないから
これでいいやっていうやっつけ仕事ですw

メスつけちゃって、プレーヤーに直結できないじゃんって
まあ、こんな線をかまします。

これならTシャツ1枚でも留めておけるし、どこか行ったときに
手持ちのプレーヤーをソースにして音楽再生ができる!って予定だったんですが
そんな機会は無くて、ただ重くて線が絡みやすいだけでしたっ。

iPhoneBluetooth対応なので、Bluetoothレシーバーを買いました。


iBUFFALO BSHSBE13PK

なので、この際すっきりさせることに決定。

まずは作業準備

Y分岐のところも被覆が切れているので、この部分から付け替えることにします。

このイヤフォンに延長用のケーブルが付属していたはずですが、
どこかに行ってしまったので買って来ました。

これを容赦無くぶった斬ります。
長さは実測で30cmちょい。夏にTシャツだけになった場合、
裾にレシーバーのクリップを挟んで、首を上げても
引っ張られない程度にしました。

切断はデザインカッターなどの薄くて鋭いものでないと
心になっている素材がバラバラ出てきて扱いづらくなるので、
厚紙かなんかの上で上から押さえつけるように切ります。

シャキーン!

元の線の接続する側もこんな感じで被覆を取り除きます。
(中の線を傷つけないように注意)

赤と緑と銅の線が出てきます。
これはリッツ線と呼ばれているもので、1本1本が独立している
非常に細い線を撚ってあるんですね。
それぞれの線はポリウレタンで絶縁用にコーティングしてあります。

銅はアース線になっていて、赤が右、緑が左・・・だったかな。
まあそんな感じです。
簡単に書くと

右ユニット(赤)-----------------------------------
      (銅)--------- Y分岐 ------------------ ステレオ
左ユニット(銅)---------」               ミニプラグ
      (緑)-----------------------------------

                  ↑ココからつなぎ替え

これを途中でつないで音が変わらないのか??と思われるかもしれませんが、
そこまで気にする人ならば自分で修理なんかしないで新しいのを買うでしょう。
そりゃ、ちゃんと繋がらないと抵抗が増えたりショートしたりして、
右と左の音の大きさがあきらかに違うとかになりますがね。
私にとってはよくわからんオーディオ理論より、
修理の達成感のほうが重要なもんで。

今回はあまり熱量を必要としないのと、余計な部分まで
溶かさないために15Wのハンダゴテを使用します。
ハンダは音響部品用。

作業とは関係ないですが、このコンセントにつけるプラグが
とても便利です。ハンダゴテみたいにスイッチのないものや、
よく抜き差しするものにつけておくと片手でコンセントを抜ける
素晴らしいアイテム。

ハンダ付け(ダメな例)

まずは、同じ色同士つなげる線を向かい合わせておきます。

・・・短すぎるな。
ホントはもう少し被覆をとっておいたほうがいいかもしれません。

この状態で、ハンダゴテに少しハンダを溶かして、
それぞれの線についているポリウレタンのコーティングを
溶かしてやります。(後で絶縁処理してからまとめるので
ここであまり大きく溶かさないようにする)

このときのハンダは熱を持ちすぎていて、このまま溶けたハンダを
つけると抵抗になってしまうのでコテ台のスポンジなどで一旦取り除きます。

ちなみに、銅色の線が1本でも他の線に触れていると
ちゃんと音が鳴らなくなるので注意です。

こーれーはー、駄目だっ。
イモハンじゃないか!

両方の線に十分に温度が伝わっていないと、
このようにきれいにつきません。


こんなところで役に立つ、4000円のPC接続顕微鏡(200倍)

あきらかにイモですorz

てことで、本来ならやり直しなんですが、次の日仕事だったし、
夜中で目がシパシパしてきたのでいいや〜といういい加減ぷり。
今見るとやり直したい気分。

まー、まともに導通してるし、抵抗値測っても問題は
なさげなので、あとは接触不良がなければいいか。

プレーヤーをつないで実際に音楽を聞いてみる。
ちゃんと鳴ってるな。

指でつついて接触不良を確認。特に問題なし。

絶縁処理

このままだとハンダ付けした部分が接触してショートすると
左右の音がまともに鳴らなくなるので、絶縁処理をします。

まあ、ジェル系の瞬間接着剤とかでいいでしょう。
あまり根元も固めてしまうと後でまとまらなくなるので、
ハンダ部分+ポリウレタンのコーティングが溶けた部分のみに
グルーアプリケーターの細いのとかで薄くつけてやります。

固まらないうちに、余計なところに接触していないか確認します。
ちょっとバサバサしてますが気のせいです。

一晩おいてから、もう一度プレーヤーをつないで確認します。

特に問題なければ、断線しないようにそっとねじって、
なるべく細くまとめて・・・!?

ここで大事なことを忘れていたことに気がつく。

いやー、はんだ付けするまえに「熱収縮チューブ」を入れて引っ張り強度と耐衝撃性を上げる
予定だったんですけどね。やり直すのめんどいからいいや。

この時点で、いま一度プレーヤーをつないで確認します。
被覆つけてから鳴らないとかわかったら二度手間だからね。

被覆の修復

愛用の「セメダイン スーパーX2」で被覆を作ります。

だいたいなんでもくっつき、乾くまでは接着中に動かせる、
接着後に弾力性があって丈夫、乾いてから剥がしても
跡がつかない、という万能選手な接着剤です。
(ちなみにセメダインからお金もらってません。ス○マじゃないwww)

前に修復したときはクリアだったんですが、
時間が経過すると色が微妙になってしまうので、
今回はブラックを買って来ました。
(思ってたよりグレーっぽいですが許容範囲)

あれ、新品のX2ってこんなに柔らかかったっけ?
てことで、垂れないように何回かに分けて塗ります。

長門の眼鏡があまりにひどいので作ってみた(脳内補完で) - まがらちゃんのまあ息災といったところ の時にも使いましたが、
これの先が丸いのが使いやすいですね。付属の接着剤を出す皿はどこかに両面テープなどで
留めてやると作業がしやすいです。

X2は結構乾きが早いので、一度に使う量だけ少しずつ皿に出して、
乾いてしまったらそこは使わないようにするときれいにできます。

筋を作らないようにするのは慣れが必要です。

ドライバーユニットにつながるズタズタ部分も
切れ目よりすこし大きめにコーティングして修復。

塗ったあと、厚さによっては乾くまでしばらくかかるので
1昼夜はおいたほうが良いでしょう。

ぶら下げて乾かしてやると、ケーブルの癖も取れてくれます。

乾いたあとはホコリがつきやすいので、プラスチャックやゴムを
侵食しない、服についてもシミにならないような油を
少しつけてやるといいかもしれません。
なければ指で軽く触ってやって、手の油でくっつかなくなればおk。

完成〜

まあまあ見た目は綺麗になりましたね。
音自体にも影響があるようには思えませんでしたので
しばらくはこれでいきます。